それなのに、奏先輩から終わりの空気を出されることが何故か寂しいと思う自分がいて、必死にその気持ちを押しとめた。
後悔はしないと決めた上で答えを出したはずなのに、自分が何をしたいのか、どうしたいのか。自分で自分が分からない。全く行動と気持ちに移せていない気がする。
「……はい」
目線が合わせられず視線が宙を泳いでしまう。
「俺、経済学の資料探してくる。あおちゃんは英語の参考書だったっけ?」
「あ、はい」
「じゃあ、国際言語ブースと経済学ブースは真逆だよね」
「そうですね」
「あおちゃん、本当にありがとう」
ただ図書室へ案内しただけなのに二度もお礼を言われてしまった。何度もお礼を言われるようなことはしていないのに。
そんなことを思っていたけれど、次に言われた言葉は私の中の時間を止めてしまうのに充分なものだった。
「……俺と2人きりは嫌だったでしょ」
「っ」
言われた言葉と表情に時が止まった感覚だった。
その苦笑のなかにどこか寂しさと悲しみを感じてしまい、何と言葉を返せばいいのか分からなかった。
「普通は嫌いな奴と2人になんてなりたくないじゃん。それなのにあおちゃんは一緒に来てくれた。感謝してる。
……ありがとう」
嫌いな、やつ…?



