渡せなかった手紙の行方

私は担任から起こされて、目をこすり、ボッーとしている頭で隣にいる転校生を見る。

黒髪で目が細くて、目元にホクロがあった。

外見の印象から、彼だと確信した。

それは、中学の時一緒だった島津君であった。

私は目を見開いて、隣にいる島津君を見た。

「な、なんで」

「…久しぶり。千紘」

私は島津君に名前を呼ばれたのは、一回だけなのに違和感はなかった。

「どうして、この高校に」

朝礼が終わって、10分間の休憩になった時に島津君と話した。

「行ってた高校つまんなくなって、千紘がいる高校受けてみた」

「私、誰にも話してないのに」

「あ、SNSを通じて、千紘の唯一の友達の舞ちゃんから聞いた」

舞ちゃん、SNSやってたの!

知らなかったよ。

今の時代、SNSがあるから恐ろしい。

舞ちゃん、私に連絡くらいよこしてよ。

舞ちゃんは、中学時代に連絡して以来、会えていない。何しているかは分からない。

だけど、元気でいることは間違いない。

ってか、私今友達ちゃんといるし。

「私、中学時代とは違うから」

「じゃあ、あの渡せなかった手紙の件で知っていることあるって言ったらどうする?」

私は島津君の目を見た。

初めて島津君の目を見たが、細めな目で黒髪は怖く思える。