「いや、どこにいるか分からないし」
「だけど、手紙がなくなったのは案外、島津君が関わっているかもよ。じゃあ、私、用あるから出かけるね」
姉は私に言いたいことを言って、私の部屋のドアを開けて去っていた。
私は姉が言ったことが本当に現実になるとは、まだ知らなかった。
だけど、吉澤君に渡そうとした手紙がなくなっていたことには意味があった。
数日後、私は学校に行くと、姉が言っていたことが現実になった。
「はい。転校生を紹介します。島津慶太(しまづけいた)くんです。皆さん、仲良くしてくださいね」
担任は朝礼が終わると、転校生を紹介した。
私は姉と話したことが気になって寝不足気味だっため、いつのまにか寝てしまった。
うつ伏せで寝ていたので、私は転校生が来たんだということしか認識してなかった。
「千紘さん!起きて下さい!もう授業始まりますから。あと、転校生の島津慶太くんが隣だからよろしくね」

