渡せなかった手紙の行方



「なんだ、結局会えずに、手紙もどこかに紛失。そうなんだ、どうしてんだろうね、彼は」

姉は私の話を聞いた後、聞いてきた。

「わからない。あの日からいつもの生活に戻った。今となっては、感謝してるよ。高校生になったら、友達も出来たし。自分も変わらなくちゃって思えたから」

私が話終わると、姉は私に言う。

「島津君って子は、吉澤君と仲良かったのよね」

姉はそう言ってから、腕組みをして少し考えていた。

「そうだよ。なんで?」

「もしかして、島津君が手紙持ってたりしないよね?」

「いや、ないと思うけど。それは」

私は予想だにしなかったことを言われたので、驚いた。

「そうかな?意外とあるかもしれないし。もしかして、千紘の近くにいるかもね」

姉は椅子から立ち上がり、私に言って、ドアの前で立ち止まった。