「ごめん!購買で買ってくる!」

僕は友達にそう言い、席を立つ。でも正直行きたくないんだよね……。

「おばちゃん!焼きそばパン二つ!!」

「こっちはメロンパン!!」

「クリームパンちょうだい!」

「カレーパン!」

購買のところには、多くの生徒が我先にとパンを買おうとしている。おかげで僕はもみくちゃにされ、パンは結局買えなかった。

「どうしよう……」

途方に暮れる僕のお腹が盛大に鳴る。お腹空いたな……。これであと二限も授業を受けないといけないのか……。

「あんた、購買使うの初めて?」

その時、声をかけられて振り向くとベリーショートの綺麗な女の子がいた。僕より数センチは背が高い。手には購買の袋がある。

「ずっと見てたけど、あんなんじゃパンは買えないよ。ここは戦場だと思った方がいい」

そう言い、女の子は購買の袋から「ん」とサンドイッチを僕に渡した。ハムとレタスのおいしそうなサンドイッチだ。