「…すっすみません」


「いいのよ〜!可愛らしいカップルで微笑ましかったわ!ねぇ、貴方?」


「あぁそうだな。初々しいくて、昔のワシらを思い出すよ」


周りに花が見えるくらいにラブラブな夫婦?なのかどうなのか。


よく分からないけど二人ともとてもお若い。


「紹介する。親父と母さん」


「えっ!?」


お父さんとお母さん!?


二人とも若々しくてみえなかった……。


「初めまして、父の雅人(まさひと)だ」


「母の美夜(みよ)です。よろしく」


「…えっと…高梨 柚莉です!いろいろと迷惑かけたようですみませんでした!あのっ…どう償えばいいって言うか…ええっと…そのっすみませんでした……何でもします!掃除洗濯何でもします!!……なので…あの……とりあえず…………すみません」


思いっきり頭を下げる。

とりあえず謝るのに必死で自分が何を言ったのかよく分からなかった。


失礼なこと言ってない…?怒られるかな…?出て行けとか?


「ぷッははは」


不安に浸っている私の耳に聞こえたのは愉快な笑い声。


不思議に思って顔を上げれば雅人さんはお腹を抑えながら豪快に笑っていて、美夜さんも口で手を抑えていて分からないが肩が微妙に揺れている。夏目も夏目で背を向けているが肩が揺れている。


今日、私って人から笑われてばっかじゃない?

特におかしな事をしていないにもかかわらず人を笑わしている。


私、人を笑わすスキルとか持ったのかな?


結構悩んでいるなかでも榊一家は笑いが収まらないらしい。


「あっあの……私なんか…変なこと言いました?」


「え?あぁ違うの!だた謝るのに必死で健気だなぁと思ってただけよ」


違う。絶対に違う。

本当は私が馬鹿らしくて笑ってたんだよ!!!


「柚莉君?と言うのか。別に怒っていないよ。夏目が一人の女性に夢中になってくれてこちらも嬉しいよ」


「親父っ……」