「っ!?…若、どうゆう事ですか!?」
突然、蘭さんが大声をあげるからびっくりした。
どうしたんだろ…怒っているより、焦っている感じ…。
「私はてっきり組の娘だとっ…!若、一般人を巻き込むということはどうゆう事かわかっているのですか!?掟を破ることになるんですよ!?」
「うっせぇな…落ち着け」
「落ち着けるわけないじゃないですか!?」
慌ててる蘭さんとは違い、いたって冷静な榊さん。
真逆の二人を交互に見てしまう。
等の私は何がなんだかよく分からない……。
「とにかく!この話はなかったことにしなければなりません。柚莉様、申し訳ありませんが…お引き取り下さい」
えっ……。
今まで話の内容が分からなかった私でも、今の言葉で何となく察した。
私、ここに居ちゃ行けないんだ……。
「そっ…そうですよね……突然、知らない女が住むなんてっ…ごっごめんなさいっ」
あぁ……ダメだ…。
泣いたら……泣いたら迷惑だよ。
私は早くここから出て行きたくて立ち上がろうとした時……。
ーーーバキッ ドンッ
鋭い音と大きな物音が私を引き止める。
後ろをゆっくり振り返ると榊さんの背中と蘭さんが障子にもたれかかっている姿。
「…蘭……てめぇ殺すぞ」
地を這うような低い声が私の身体を震わせる。
威圧感が部屋に漂っていて、1歩も動けない。
いや…動いてはいけない……。
