「んっ……」


柚莉……?


「柚莉?……起きたのか?」


ギュッと彼女の手を握りしめる。

自然とこうしたくなった。


「なにが分かっとるじゃ………もう依存しかけてるじゃないか」


「…………チッ。うっせぇな……」



年寄りなんだから少しは大人しく井戸端会議でもしてやがれ。


「わしはまだまだ、若いぞぉ」


何故、このジジィに心を読まれるんだ?


「あっ…あの…榊さんっ!痛いっ!!」


「あっ…悪ぃ」


「女の子は大切にな〜」



ったくさっきからほんとにこのジジィはうっせぇ…。

口を開けばいちいち引っかかる言葉をどんどん言いやがる。


「一生喋れねぇようにしてやろうか……」


「えっ?……ごめんなさいっ」


「柚莉じゃねぇよ……」



柚莉は勘違いすることが多すぎる。


ただ天然だけなのかそれとも……。



「あのっ榊さん!」



柚莉の呼ぶ声に無意識に振り返ってしまう。



「なんだ?」