ーーー「ほい。終わったぞ」


ーーーバンっ


「終わったか?」


スっと柚莉の傍に行く。


早く顔が見たい……。

そう切なに思ってしまう。


「じゃから乱暴にドアを開けるでない。毎度毎度言うてるじゃろ」


「それより柚莉は無事か?」



そんなこと後でいくらでも聞く。

それよりも大切なのは柚莉の様態だ。

心配で心臓が潰れそうだ。



「今は痛みで寝ておる…時期起きるじゃろう」


「そうか」


ホッと胸を撫で下ろす。


良かったっ……柚莉。


突然、俺の腕に力なく落ちてきた時は本当に怖かった。

死んでしまうのかと…思ってしまった。


「ほほぅ…なんじゃ?その子はお前の恋人か?」


「……違ぇよ」


「なんじゃ珍しく慌てとるから、運命の赤い糸かと思ったのになぁ」



なにが赤い糸だ…古くせぇ。

最近の年寄りは何を言うのか分からん…。



「それにしても……随分と特別扱いしてるようじゃな」


曽田爺が疑うのような目で見てくる。

特に特別扱いをしてるつもりはねぇけど……。

でも、確かに他の女とは違うってことは分かる。



「組を頭の許可なしに動かしたんじゃ…それなりの子なんだろ?」



それなりってなんだ?

柚莉は確かに他の女とは違うがああゆうのが合うって女でもねぇ。

それに……。


「柚莉は…巻き込まねぇよ」


初めっからそんなつもりはねぇし……。

けど…どうしても…離したくないっていうのはどうしてだろうか?


「じゃが…ここに住めと言っているのだろ?」


「ジジィ……その話何処から……」


「巻き込まないって言っておきながら巻き込む気満々じゃがな。それに…お前さん住ませるとか無意識に、言っておったじゃろ?」