「……さかきっ……さん」



「手間かけさせんな」



ーーーギュッ



「……っ…心配っ…させんな」



苦しい程に榊さんに抱きしめられ傷が痛む。


でも…それ以上に嬉しいという気持ちが大きかった。



「ごめんっ……なさい……ごめんなさいっ」



ーーーーーー



「っ!?柚莉ちゃんっ」



優斗さんの声が聞こえて顔を上げる。

そこにはたくさんの車と人がいて…先頭にいた優斗さんが駆け寄ってくる。



「っばか!何してんの!」


「っ……ごめんなさい」


「っ車から飛び出すとか……報告受けた時…心臓止まるかと思ったっ」



よく見ると優斗さんの頬に涙の筋があった。



「泣いて……たんですか?」


「っ…うるさい…」