この一年間……ずっとそうだったじゃん。

たった数分の出来事で……戻りたくないなんて思わない。

どうせ……すぐに忘れるよ……温もりさえも。



でもっ……。



「おいっ」



……嫌なの。



「待てっ」



貴方の温もりを感じてしまったから。



「やめろっ!死ぬ気か!?」



もう……戻りたくない。



「……ありがとっ」



一人の人生は……。


ーーーガンッ ドサッ キキィーーッ


私は走行中の車から道路に身を投げた。


それでも奇跡的に立てる位は出来た。



「……っ」



体中が痛い……。

もしかしたら折れてるかも。

私は痛みを耐えながら走った。


「おいっ柚莉!」


後ろから榊さんの叫ぶ声が聞こえたけど振り返らず走る。


……っごめんなさいっ!