「お!この独特の画風は誰か知ってる!ピカソだ!!」

私たちの目の前には、「泣く女」や「夢」など独特の絵が並べられている。

「ピカソの本名は、パブロ・ディエーゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピーン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ。長すぎて本人も覚えてなかったんだって」

「お前、よくそんな呪文みたいなの覚えられたな」

工くんが苦笑し、私は「美術が大好きだから!」と笑う。

「これも歴史の教科書なんかで見たことがある!」

「見返り美人図ね!」

「これも教科書で見たことあるぞ!」

「レオナルド・ダ・ヴィンチの白貂を抱く貴婦人!実はこの絵の白貂は、実際には白いフェレットだったんだって」

そんなことを話しながら、美術館の中を見て回る。知っている名画もあれば、全く知らない名画もあって見ていて楽しい。