「せ、成長したって意味よ」



「成長?」



湊人は不満そうにじろじろ見てくる。



ダサイ時代からの唯一のオシャレな親友も大絶賛なんだから。



好きなだけ見たらいいわ!



私には自信があった。



もうからかわれたりしないって自信が。



だけど、湊人の性格は見た目と違ってものすっごく最低なままだった。



「似合ってない」


似合ってない?


ウソでしょ!



なにが?


まさか誰にでも似合うはずの制服?


研究した髪型?


リップカラー?




「なにムリに背伸びしてんの?」



うるさいよ!


ムリなんかしてないわよ!


ほんとムカつく!




「あいかは素朴がよさなのに」



怒りのあまり何か言われた気がするけど聞き取れなかった。



「とにかく、私は生まれ変わったの!だから近寄らないで」



私の努力、台無しにしないでよね!



教室だというのを忘れて、大声で言ってしまった。



クラスの何人かにはバッチリ聞かれたと思う。



性格キツイ子だと勘違いされたかも。



不安になったけど、そんなのあとからいくらでも取りつくろえばいいだけ。



湊人に近寄られるほうが大問題よ。




湊人は案外すぐに男子のとこに行った。