あんたじゃないのよ!

テレビから夏らしい明るい曲が聞こえる。



それに負けないように声を出した。



「さ、悟くんは、す、す、好きな子とか、いるの?」



「急だね」



「あ、違うよ?ほら悟くんモテるし人気なのに彼女いるって聞いたことないから、部活大変なのかな?ムリしてないといいけどって意味で!」



自分でもなに言ってるかわからない。ムリがあると思う。ごまかせてない。



迷惑に思われたらどうしよう。余計なこと言っちゃったかな。




今さら取り消せないよね。


すごく不安になってきた。





「好きな子はいないかな。恋愛とか、今は興味ない」



「そ、そっか」





声は優しいのに、こわくて顔をあげらんない。
遠回しに私はないって意味だったら……。





「誰かと付き合うとか、想像できないんだ。恋人が欲しいと思ったこともない。たぶん、この先も、誰とも付き合うことはないよ」



あれ?



どうしてだろう。なんだか、ふられたみたいで、悲しい。



悟くんの声って、こんなに冷たかった?



ヤバイ、泣きそう。