金魚すくいも、屋台のかき氷も初めてっていう沙羅ちゃんが、子供みたいに目を輝かせてはしゃぐのにびっくりした。



いつもは物静かなのに、キャーキャー楽しんでる。




「あいかちゃん、射的とはなにをするの?」



「射的知らないの?」



どこのお嬢さまなのよ。



「おもちゃの銃で景品撃ち落とすのよ」



説明する私のよこで、悟くんと湊人がどっちが大物ゲットできるか競いだした。



男子、そういうとこある。





悟くんは小さいけど、1発でお菓子を落としてく。



湊人は夏らしくプラスチックの小さいうちわを持ったクマのぬいぐるみを狙ってる。



20センチはありそうなクマのぬいぐるみは、ラスト1発で見事に落ちた。




沙羅ちゃんが拍手する。私もうっかり褒めてた。



「すごい」



「でもあいかはクマ苦手だろ?」



「いつの話してんの?もう平気よ」



子供の時に見たドラマに、暴れくるうクマがでてきて、苦手になった。




湊人が沙羅ちゃん見る。



「いつも俺らに差し入れくれる沙羅ちゃんに」



「あ、ありがとうございます。家宝にします!」



家宝は大げさでしょ!



沙羅ちゃんがすごく嬉しそうだからいいけど。






「お菓子、ふたりでわけて」



悟くんが私たちにゲットしたお菓子をくれた。



私はお菓子を抱きしめた。



「ありがとう!家宝にします!」



「お前もか」



湊人にあきれた顔された。




どうわけるか沙羅ちゃんと話してる時、悟くんが湊人に

「素直じゃないんだから」

って言った気がした。意味はわからなかった。