楽しい体育祭がおわり、またテスト期間に入った。



そんなに何をテストするというの?






「沙羅ちゃん、湊人呼ぶからまた勉強会しない?」



お昼休みのベンチで、勉強でどうかしてしまった私は、そんなことを言ってた。




「私は大賛成だけど、あいかちゃんは本当にいいの?」



「あんな口悪い男でも、頭はいいから頼るしかないのよ」



「そうじゃなくて」



沙羅ちゃんは苦笑いした。そんな顔でもキレイだから美人はずるい。




「あいかちゃんは、湊人くんのこと、本当に本当に好きじゃないの?」



「当然よ」



「私が、湊人くんと付き合うことになっても、私と友達でいてくれる?」



「悪いことは言わないわ。あの男だけはやめなさい」



最近見たドラマのセリフのようなのを素で言ってしまった。




沙羅ちゃんはふしぎそうに私を見た。



「湊人くんはいい人よ」



「たしかに沙羅ちゃんには優しいわね」



昔から、私にばかり意地悪だった。





「私、湊人くんが好きなの。あいかちゃん、応援してくれる?」



「あんなののどこがいいかまったくわからないけど、沙羅ちゃんが好きなら協力するわ」



「あいかちゃんムリしてない?あいかちゃんは、湊人くんと仲良しで、私、ふたりは息ぴったり」



「ストップ!私が好きなのは、幼稚園のころから悟くんだけよ」




沙羅ちゃんはおどろいたみたいだった。