予定通り私と沙羅ちゃんは料理研究部に、悟くんはテニス部、なぜか湊人もテニス部に入った。



湊人がテニスするイメージないけど、スポーツなんでも得意だからどうせ活躍するんでしょうね。ムカつく。



私の想像は当たっていた。しばらくしたら、すごい一年生がふたり(悟くんと湊人)来た!しかもイケメン!

と話題になってた。








5月もまんなかになると、見えてくるのは中間テスト。



まずいわ。



私は勉強なんて嫌い。



特に数学は数字とアルファベットが並んでてさっぱりわからない!



部屋にこもって必死に教科書とバトルした。



漢字は何回も書いて、社会も理科もまる暗記作戦よ。



でもひとりだとついサボッちゃうのよね。



沙羅ちゃんにも教えてもらったけど、ヴァイオリンのレッスンとか忙しいみたい。




「テストなんて無くなれえええ」




部屋だとなまけるようになった私は、リビングで勉強してた。




「俺が教えてやるって言ってるだろ。いい加減折れたらどうだ?」



「夕飯食べたなら帰ったら?」



なぜか居座る湊人のせいで集中できない。




「お前このままだと追試確実だろ」



「だとしても、湊人にだけは頼らない」



「沙羅ちゃんにばっか迷惑かけるなよな。あの子、バイオリンと、バレエも習ってんだろ?」



それ言われたら返すことばが無いわ。




「だいたい、お前の学力でよく入れたな。裏口?」



「恋のチカラでがんばったのよ!なんで隣人が悟くんじゃなくてあんたなの」




湊人の顔が一瞬暗くなった気がした。



なに?


見間違い?




「悟に勉強見てもらいたいわけか」



「好きな人と勉強会なんて最高じゃない?」



「バカがバレてもいいならな」



あんたはいちいち私の気に触ること言わないと負けのゲームかなにかしてるの!?