そんなことが先日あって、それから何もなかったので私も、まあ酔った勢いの何かの間違いということにしておこうと思っていたのに。

あれは夢ではなかったらしい。
いや、夢じゃないってのは分かってたんだけど、今更。本当に今更だなって思ってしまうのだ。

広い営業部でのフロアで、課も別となると当然鷹野の顔を見なくてすむこともある。まあ今日みたいにすれ違うこともあるにはあるけど、先日の飲み会は部内の大きな飲み会で交流会のような1年に2度くらいあればいいものだ。

鷹野かぁ。
というか、私は社内恋愛なんて嫌なんだけど。
別れたときに、あとあと気まずくなるじゃないか。噂もたちやすいし。

なしなし。やっぱなし。
あいつに踏み込むのは止めておこう。

それより、仕事だ。
午後からの予定をざっと反芻する。

私の案件をフォローしてくれる生島さんは私の密かな憧れの人である。もう結婚してしまったけどね。やっぱり、素敵な人はもう早々と手がついてるもんで、そして磨きがかかっていく。
生島さんが何かとかわいがっているのが鷹野で、それで私とも面識がある。