「鳥居さん秋に結婚するんだって?」





「結婚といえば、

柊さんも冬に結婚するんじゃなかった?」








お昼時間が終わる前、

蔵馬さんと職員の前田さんと3人で

社員のコップの片付けをしていると

そんな話になった。



朝とお昼にみなさんにお茶を出している。


またお客さんにお茶を出すのも女性で行っている。


女性の社員は蔵馬さんと前田さんと私の3人。




前田さんが会計事務をしており、

前田さんのお仕事のお手伝いもたまにしている。








「鳥居さん、職員の人は

みんな結婚式に呼ぶみたいよ」




蔵馬さんは私が入る6ヶ月前から

働き始めている。


鳥居さんは付き合いの浅い私たちは

結婚式にはよばないのだろう。


きっと柊さんも同じだと思う。



鳥居さんはいま29歳で、

柊さんは35歳だ。




「柊さんの彼女って確か、、

取引先の方だったわよね?」





「そうそう!たまに来てるあの人!

確か昨日か一昨日にも来てたわよねー!」





2人の会話を聞きながら、





あの細くてボブカットのキレイな人かな?

とぼんやり私は考えていた。












この頃、私には好きな人がいた。


1個年下の高校の後輩で、

実家に帰ってきてから

SNSを通じてメールでやりとりをするようになった。

まだガラケの時代。

メールが来るとその音楽が鳴ることが嬉しかった。


みんなそれぞれよく好きな歌手の曲をメールや着信音にしていた。




「🎵~」







あ、恭介からだ!