アイツの名前を口にした瞬間、朋美は少しだけ固まった。


「どうしたんだよ」

「たかはし こうきって、あのこうき先輩のこと?!」


朋美は興奮したように、次のあたしの言葉を待っている。

「え?知らないよ。ってか、たかはし こうきって先輩だったんだ。そんなにすごい人なの?」

「すごいと思う!あの人結構モテるらしいよ!確かに恵美加が言っていた通りだね。あーどうして今まで気づかなかったんだろう」

朋美は悔しそうに自分の拳で足を叩いている。