「あ、やべ・・」
そんなあたしを見て、斗真が困ったように慌て出した。
「ハンカチ・・」
そう言ってポケットや鞄の中を急いで探している斗真に、あたしは、
「斗真・・」

咄嗟にあたしの顔を見た瞬間に、あたしは斗真にキスをした。
急な出来事に、斗真はポカンとしている。
「あたしも今すごく幸せだから。あたしを見つけて好きになってくれてありがとう」
そして、あたしは優しく微笑んだ。

「うん。これからもずっとよろしくな」
「こちらこそ」
それからあたし達は、2人で笑い合った。

照れくさいし恥ずかしい言葉かもしれないけど、それでもどうしても今、大切な人に自分の素直な気持ちを伝えたかったんだ。
だけど、この時のあたしは恥ずかしいとは思わなかった。

今という時間があたしにとってすごく大切で幸せな時間で・・。