たった一回しか見ていない人を好きになるとか・・。

そんなのを、ちゃんとした恋って呼ぶの?

あたしには分からない。


「ねー恵美加が見た男の人ってどんな人だったの?」
「あー、うん」

あたしは、その男について話し出した。


朋美にあの男の特徴を話してる時は、自分の頭の中にその男を強く描き込んだ。

どこも薄れてなんかいなくて、あたしは鮮明に覚えていた。