学校に着くと、先生達が
「本日は誠におめでとうございます」と言って、あたしに小さなピンクのお花を制服のポケットのところに付けてくれた。

卒業式が始まるまでの間、お母さんは別室に通されて、あたしはいつものように教室に向かった。
そして、教室のドアを開けた瞬間、誰かがあたしに勢いよく飛びついてきた。

「うわっ・・」

あたしは、そんなまぬけな声と共に、後ろに少しだけよろめいた。
まぁ、飛びついた人は確認しなくても分かるんだけどね・・。

姿勢を立て直してから、前を向くと、
「ほら、やっぱり」
朋美が満面の笑みで笑っている。

「おはよ!」
「おはよう」