「卒業式だね」
「うん」
「早く終わるけど、その後どっか行く?」
「川原に行きたい」
「うん。分かった」

朋美は、あたしに気を使ってくれているのだろう。
だけど、気にかけてくれた朋美の優しさが素直に嬉しかった。

アンタの降りる駅を通り過ぎて、美麗先輩が乗って来る駅に着いた。
だけど、美麗先輩はいなかった。
きっと卒業式だから、親と一緒に学校に行くのだろう。
それからしばらくして、あたし達が降りる最寄り駅に着いた。

「恵美加、行こっか」
「うん」
あたし達は、電車を降りて学校に向かった。


それから卒業式が始まった。
ほとんどが来賓や校長先生などの話だった。