この前、ショッピングモールに行った時は、あまり好きな本が並んでいなかった。
やっぱり、いつも行っている本屋がよくて、あたしは学校帰りの後に本屋に向かった。

本屋までの道のりを、あたしは音楽を聴いて歩いた。
やっぱり音楽を聴くのは好きだ。
癒されるし、時には自分のことを分かってくれているような音楽に出逢うと、知らないうちに涙が零れ落ちる時だってある。
それくらい音楽の力ってすごいと思う。

そして、しばらく歩いていたら、本屋に着いた。
外も薄暗くなっていて、電車を降りた時よりもだいぶ寒くなってきていた。

早くお店の中に入りたくて、少し小走りになった。
お店の自動ドアが開いたと同時に、あたしは「ある人」とすれ違った。
すれ違った瞬間、香ってきた甘い香水の香り。

あたしは、驚いてすぐに後ろを振り返った。

久しぶりに、アンタの後ろ姿を見た。