あたしを知らないキミへ


「恵美加ちゃんが朋美の隣にいてくれて、お友達になってくれて本当によかった。朋美はね、今あんなに笑えるようになったけど小学校までは全然笑わない子だったのよ。小学校6年生までずっといじめられていたの」

「・・え?」
思いもよらない言葉に、あたしはそんな言葉を漏らした。

「どいうことですか?」

「朋美は皆からチヤホヤされてきて、それを嫌に思ったのかクラスメートの女の子からいじめを受けてきたの。だけど、中学に入って恵美加ちゃんに出逢ってから朋美はすごく笑うようになったの。毎日のように朋美は恵美加ちゃんの話をしていたわ。今だってそうなのよ」

そう言って朋美のお母さんは優しく微笑んだ。

「今も・・?」

「そうよ。恵美加最近元気がないから、どうすれば元気になってくれるかな・・。とか、恵美加は溜め込みやすい性格だから一人で色々抱え込んでるんじゃないかって。最近はそんなことばかり言っているわよ」