あたしを知らないキミへ

「急に誘っちゃってごめんね。でも、こうやって恵美加ちゃんとゆっくり話せて嬉しいな~」
あたしは、そんな朋美のお母さんに笑顔を向けた。

「朋美は学校でどうかしら?うまくやっていけてる?」
朋美のお母さんは、心配そうにそんなことを言った。
朋美のことを思い出して、少しだけ切なくなったけど、

「めちゃくちゃ元気ですよ。もう、うるさいくらいですから。でも、人想いで優しくて、可愛くて。いつも朋美に救われてます。元々性格は暗い方で小学校はあんまり友達がいなかったんです。だけど中学の時に一人でいたあたしに朋美が、友達になろうって言ってくれて。朋美がいたから、あたし笑っていられるんです」

そんな懐かしい想い出には、いつだって朋美の笑っている姿があった。
「ありがとう。朋美のこといつも見ていてくれて。朋美にこんな素敵なお友達ができて本当によかったわ」

そう言って、少し涙目になりながら言う朋美のお母さん。

「朋美が羨ましいですよ。あんなに明るくて友達も多くて。そして、ちゃんと自分を持っている。それを怖がらずにあたしにぶつけてきてくれる朋美が本当にすごいですよ」