あたしを知らないキミへ

賢斗は大げさに手を横に振って否定した。

「ふ～ん。確かにそう見えるかも」
「っておい！なんだそれ！」
「「あははっ」」

あたしは人見知りする方なのに、不思議と賢斗は朋美と同じ感覚で話せた。

「何か恵美加ってかっこいいね」
「は？なんだそれ。全然嬉しくないし」
「俺は素直にそう思ったんだけどなー。あ、でも女の子だから可愛いって言った方がよかった？」
「言わせてる感すごくない？ってか別に何も言わなくていいから」
「もしかして怒った？」
「怒ってない」

軽くムカついたけど、対してそんなに嫌でもなかった。
それからしばらく、あたしは賢斗と話をしていた。
気づけば夜の6時を回っていて、合コンは終わった。

帰り際に賢斗からメアドを聞かれて、2人で交換した。
そして、あたしは電車に乗って帰路に着いた。