「朋美。ちょっと寝ていい?」
「もちろん。ほら、あたしの肩、枕代わりに使って」

そう言った朋美は、自分の左肩をポンポンと叩く。

「着いたら起こすから、それまで寝ていきな?」
「うん」
あたしは、朋美の声を聞いた後、浅い眠りについた。
目を瞑った時、朋美があたしの頭を優しく撫でたのが分かった。
それがすごく心地よくて、涙が零れ落ちたんだ。


「恵美加?着いたよ」
浅かった眠りのせいか、朋美の第一声ですぐに目が覚めた。

「ごめん、肩痛くない?」
「全然!あたしの肩、そんなにもろくないから!」
朋美のその言葉に、なんだか笑えた。