クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を


潤の父親が事故の知らせを聞いて社長就任のお祝いパーティーが開かれている会場を途中で抜けだし、慌てて病院に駆けつけた。


続けて真依の両親も病院に着いたが、二人とも真依の状況を聞き病院の廊下で肩を落として泣き崩れる。


夏美の遺体の状態は悪く、今検死の方にまわされている。


右足の骨折の痛みで翌朝目を覚ました潤。


真依が全身で潤をかばったおかげで、潤は右足の軽い骨折のみですんだ。


意識が戻った潤の顔を見て安堵の表情を浮かべる潤の父親。


しかし、俺のお父さんは命があっただけお前はありがたいと思いなさい、もう亡くなった人に恨みの感情は持つなと言ってくる。


夏美のお陰でここまで父親は頑張ってこれたんだと──。


本当の夏美の姿を知らない父親に、そんなふうに簡単に言われたくないと思った。