クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を


横転をした車からは激しく燃え上がる赤い炎と白い煙が立ち上っていた。


全身を強打しあちこちから血を流している真依、潤の体をかばうように覆い被さって目を瞑り倒れていた。


潤も足から血を少し流して意識を失って倒れている。


潤の力ない腕元からするりと黒い子猫が出てきて、小さな舌で潤の顔をぺろぺろと舐めている。


目を覚まさない潤。


心配そうな黒い子猫は潤のそばを離れない。