クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を


ゆっくりとした足どりで潤が黒い子猫に歩み寄る。


膝を曲げて腰をおろし、両手でひょいっと黒い子猫を抱き上げる潤。



──お前も、居場所がないのか。


俺と一緒だな……。



「こんなところに、いてたら危ないぞっ……」



そう声をかけて、潤が黒い子猫を抱きかかえて、立ち上がろうとした時。