ゆっくりとした足どりで潤が黒い子猫に歩み寄る。 膝を曲げて腰をおろし、両手でひょいっと黒い子猫を抱き上げる潤。 ──お前も、居場所がないのか。 俺と一緒だな……。 「こんなところに、いてたら危ないぞっ……」 そう声をかけて、潤が黒い子猫を抱きかかえて、立ち上がろうとした時。