クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を


ある日、掃除道具をしまうロッカーの鍵が突然無くなり、従業員全員で店じゅうを探したがやはりどこを探してもなくて。



最後のロッカーの鍵を持っていたのは潤の後輩の子のだったはずだとリーダーが言い出し。



潤の後輩の大きなミス続きに潤の教育がちゃんとなっていないと、そしてもしも鍵が見つからなかったその時は、潤とその後輩のクビがかかっていた。



もしかしたら……、と思い潤がその子を問いただして聞いてみると。



やはり、その鍵を間違って持って帰ってしまっていたのはその子だった。



学校の帰り道、赤いポストの近くでその子からその鍵を受け取り、雨が降っていたので代わりに潤は自分の傘を差し出して渡した。



そして、あの時、その直後の出来事だった、真依が小さな赤い指輪を川をめがけて思い切り投げ捨てたのは──。