クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を


「真依、俺は、本当はこれをそっと置いてもうすぐ帰るつもりだったんだけど……」



──真依が目を覚ましたから、直接渡したい。



潤がクリスマス用の可愛くラッピングされた小さなプレゼントを真依に差し出す。



「──何?」



「開けてみて……」



真依がリボンをほどいて包装紙をそっと取ると、小さな箱が姿を現し、そしてその蓋をゆっくりと開けると、銀色に輝く指輪が入っていた。


「潤……、これどうしたの?」



「バイトしたお金で、真依の為に買った──」



潤がズボンのポケットから小さなあの赤い指輪を取り出し、手の平に乗せて真依に見せる。



「これ、真依にはもう小さすぎるから……」



「潤、……ありがとう──」



真依の頬から一筋の涙が伝ってゆっくりと流れる。