いざ別れを目の前にすると、結空ちゃんの顔を見るだけで寂しかった。

そんな俺を見かねた結空ちゃんは

「ねえ!てだしてみて!」と言った。

「……て?」

よく分からずに差し出した手に

「はいっ!」って押し花で作ったしおりをくれた。

それから続けてこう言った。

「そのしおりにぜったいにまたあえるようにおまじないかけといたから!」

その時の結空ちゃんの自慢げで優しいあの笑顔を俺は1度も忘れたことがない。

この日もらった押し花のしおりも、今でも大切にとっておいてる。