すると教室の扉を開けた和田くんはその場から大声で

「依弦〜!愛しの結空ちゃん来てるよ〜!」

なんて言うもんだから、周りの視線は一気にこちらへ。

黒瀬くんも慌てた様子でこちらに駆け寄り

「おい、ばかっ!声がでけぇんだよ。」
と和田くんを責め立てた。

「すまんすまん!笑」とどうやら楽しんでる様子の和田くんは、
「んじゃ!後はお2人でどうぞ〜!」

そう言って颯爽と去っていった。

気まずい空気が流れたが、その沈黙を断ち切ったのは珍しく私だった。

「あのっちょっと話せるかな…屋上で…」

「立ち入り禁止だけどいーの?笑」

立ち入り禁止でも今はどうしても2人きりで話したかったんだ。

「うん」

「ふーん、じゃあ行くか。」

それから2人で屋上へと向かった。