白銀のカルマ

『……恵莉花……』

『……お兄ちゃん』

『……そりゃ、こんなの納得いかないよな』

あれ以来兄は私を労わってくれるようになった。

あまり意識したことはなかったが優しくて格好良くて頼り甲斐があって。

あの時兄がいなかったらあの悪夢のような写真は世間にばら撒かれていたはずだ。

正直篤彦さんより男らしい一面もあるし今考えれば『好きになる条件』は全部揃っていたような気がする。

そもそも自分達は血の繋がりがない。

戸籍がなければただの『男』と『女』。

『恵莉花……?』
『……はじめからお兄ちゃんにしとけば良かった……。』
『……恵莉花……』
『お兄ちゃんといればこんな辛い思いしなくて済んだのに……』
『………。』
『どうして気づかなかったんだろう……』

私は兄の背中に抱き着くと、そっとお腹に手を回した。

そして高校2年の春。

とうとう私は兄と一線を超えた。

『……おはよう、恵莉花』
『……おはよう、お兄ちゃん』

両親がいない時や寝静まった後に隠れて何度も何度も私たちは同じ朝を迎え恍惚の表情を浮かべたことか。

当然『避妊』には気を遣っていたがある時を境に私達の関係は後戻り出来ない顛末を迎えることになる。