白銀のカルマ

『……大丈夫?』

『あ、あ、あぁ……。はい』

電気が復旧しても胸の高鳴りが止むことはなくこの出来事がきっかけに私は彼に特別な感情を抱いていることに気づいた。

けれど今の関係を壊したくなかったがために悟られぬよう必死で普通を装い続けたがそれは徒労に終わった。

それは私の誕生日のこと。

いつも頑張っている私に高級なレストランと誕生日プレゼントまで用意してくれたのだ。

親交が厚いのは事実であるがここまでしてくれることに疑問を抱いた。

食後、連れて行ってもらえた綺麗な夜景が見える港でタイミングを見計らって聞いてみた。

『……あの、篤彦さん?』

『……ん?』

『どうしてここまで……私によくしてくれるんですか?』

そう聞かれて黙り込む篤彦。

照れ臭そうに頭を掻くだけでなかなか答えようとしなかったがそれでも彼は正直に答えてくれた。

『……愛しているから』

実は彼も私も同じことを想っていた。

思い悩まなくても何と私と彼はちゃんと通じ合っていたのだ。

そうと分かれば惜しみなく自分の想いを彼に伝えた。

『……私も愛してます』

私達が港のベンチに腰掛けたままキスをした時、少しだけ水際が波打ちざわついたような気がした。

将来結婚する約束もしたがこれまでの関係を保ったまま私が成人するまで指一本も触れることはなかった。