「じゃあ、行ってくるね」
「いってらっしゃい。」
優一が帰ってくるまでの間、奥野家で待機することになった廣瀬夫妻。
その合間を縫って、昇はある場所に向かった。
「多分17:00くらいになるよ」
「そう。でもゆっくりしてらっしゃい。」
その後ろ姿を穏やかな目で見守る香織。
仕事が忙しくなかなか行くことが出来なかったが、少し滞在期間が長引きそうなのでおかげで行く余裕が出来た。
奥野家から車を走らせ約40分。
「来たよ、父さん」
父が眠る墓石に水をかけ、花束を手向けた。
飲酒運転の車に撥ねられ突然この世を去ってから26年の月日が経過した。
冷たくなった父の亡骸に縋って泣く母の隣で、呆然と立ち尽くす以外なす術がなかった非力な15歳の頃の自分の姿が今でも瞼に浮かぶ。
「……もう亡くなって26年か……」
決して届くことのない父への思いを募らせる。
あれだけ大人に思えた父の年齢に近づいた。
何より自分の娘が二十歳ということが、人の一生があっという間に過ぎ去ることを物語っている。
父は今でも自分達の姿を天国から見守ってくれているだろうか。
「いってらっしゃい。」
優一が帰ってくるまでの間、奥野家で待機することになった廣瀬夫妻。
その合間を縫って、昇はある場所に向かった。
「多分17:00くらいになるよ」
「そう。でもゆっくりしてらっしゃい。」
その後ろ姿を穏やかな目で見守る香織。
仕事が忙しくなかなか行くことが出来なかったが、少し滞在期間が長引きそうなのでおかげで行く余裕が出来た。
奥野家から車を走らせ約40分。
「来たよ、父さん」
父が眠る墓石に水をかけ、花束を手向けた。
飲酒運転の車に撥ねられ突然この世を去ってから26年の月日が経過した。
冷たくなった父の亡骸に縋って泣く母の隣で、呆然と立ち尽くす以外なす術がなかった非力な15歳の頃の自分の姿が今でも瞼に浮かぶ。
「……もう亡くなって26年か……」
決して届くことのない父への思いを募らせる。
あれだけ大人に思えた父の年齢に近づいた。
何より自分の娘が二十歳ということが、人の一生があっという間に過ぎ去ることを物語っている。
父は今でも自分達の姿を天国から見守ってくれているだろうか。
