白銀のカルマ

『なんで……?お兄ちゃん……?』
『………ふざけるな!』
『え……?』

兄は恵莉花から拒絶されて傷ついていたはず。

傷心の兄を必死で受け止めようとしているのに、それでも受け入れようとしてくれなかった。

『……あっははははははは。それなら心配ない』
『え?』
『私、私ね。お兄ちゃんの為なら料理だってお掃除だってお裁縫だって頑張るわ』
『………幹枝』

『兄妹はエッチしたらいけないっていうけど。要は妊娠しなきゃいいのよね?だったら私、お兄ちゃんの為なら子宮だって………捨てる』

『……何言ってんだ……。お前…』

常軌を逸した発言に、わなわなと震える兄を一切無視し、自身の無茶苦茶な持論を展開し続ける妹。

『……幹枝……お前、正気か?』

『……あたしは正気よ。それにいつだって〝本気″。……お兄ちゃんを幸せに出来るのは私しかいないの』

兄の言葉に急に真顔になる幹枝。

妹が兄に恋愛感情を抱いているなんて異常すぎる。

狂ってしまった妹に兄は言葉を必死で探し説得しようと試みたが、結局何の効果も得られなかった。

『……お兄ちゃん。ひょっとしてまだあの女のことを考えているの?私がせっかく駆除してあげたのに』

『あの女……?駆除……?一体、何のことだ……?』

言っていることがよく理解できていない兄に幹枝は、分かりやすくこれまでの経緯を伝えた。

すると見る見るうちに顔面蒼白となり、言葉を失ったままその場に座り込んで涙を流し始めた。