『俺が引き取るよ』
『……えっ……?本当に……!?』
急な気の変わり様に意思に嘘偽りはないか半信半疑だったが、1年間の親族里親になるための研修も難なくクリアし、意思確認でも気持ちがぶれることはなかった。
『何かお手伝いすることはあるかしら?』
『あ~、大丈夫だよ。ありがとう。俺が恵莉花の弁当作ってるからさ。最近料理には自信があるんだ』
何の家事経験もないことがずっと気がかりだったが、次に家に訪問した時は、驚くほど子煩悩な父親へと変貌を遂げていた。
何の不安も感じないまま、11年の月日が流れた。
正徳の十三回忌で親族が集まることになり、幼かった子供達は大学2年生と高校3年生になっていた。
長い間、音信不通になっていた従妹の香織も中学2年生となっており、幼い頃の面影は残しつつも美しく成長していた。
十年ぶりの再会を果たした三人は、思い出話に花を咲かせ、大いに盛り上がった。
久々に会話出来たことが嬉しすぎて、周囲のことなど全く目もくれていない様子の幹枝だったが、突然、機敏だった動きが止まる。
『うわぁ……、あの子、何人だろ?』
自分達のいる場所から右斜めのテーブルの前に着席した一人の少女に、釘付けとなった。
『あんな子、身内にいたっけ?』
端正な顔立ちに、栗色の毛髪、琥珀色の綺麗な目。
異国情緒が漂うその風貌からは、どこか貴族のような気品すらも感じるほどだった。
『あ、天明さんのとこの子じゃないか?昔一時期うちに〝えりかちゃん″って子、いただろ』
『あ……、あの子か』
それは、天明の娘だった。
交渉成立後、暫くの間、男手一つで育てていたらしいが、息子の中学受験を機に復縁したらしく、実子と妻もその場に同伴していた。
外交的な性格の幹枝は、同世代の二人に積極的に話しかけていくと、半ば強引に自分達の席に引っ張ってきて有無を言わさず座らせた。
当初は困惑している様子だったが、数分も経てば兄妹もその場に打ち解け、談笑していた。
『ははははははは……』
法事の場には似つかわしくない明るい雰囲気を醸し出し過ぎたせいで、周囲の大人から少し注意されてしまったが、それでもその日は楽しい気分のまま解散することが出来た。
『……えっ……?本当に……!?』
急な気の変わり様に意思に嘘偽りはないか半信半疑だったが、1年間の親族里親になるための研修も難なくクリアし、意思確認でも気持ちがぶれることはなかった。
『何かお手伝いすることはあるかしら?』
『あ~、大丈夫だよ。ありがとう。俺が恵莉花の弁当作ってるからさ。最近料理には自信があるんだ』
何の家事経験もないことがずっと気がかりだったが、次に家に訪問した時は、驚くほど子煩悩な父親へと変貌を遂げていた。
何の不安も感じないまま、11年の月日が流れた。
正徳の十三回忌で親族が集まることになり、幼かった子供達は大学2年生と高校3年生になっていた。
長い間、音信不通になっていた従妹の香織も中学2年生となっており、幼い頃の面影は残しつつも美しく成長していた。
十年ぶりの再会を果たした三人は、思い出話に花を咲かせ、大いに盛り上がった。
久々に会話出来たことが嬉しすぎて、周囲のことなど全く目もくれていない様子の幹枝だったが、突然、機敏だった動きが止まる。
『うわぁ……、あの子、何人だろ?』
自分達のいる場所から右斜めのテーブルの前に着席した一人の少女に、釘付けとなった。
『あんな子、身内にいたっけ?』
端正な顔立ちに、栗色の毛髪、琥珀色の綺麗な目。
異国情緒が漂うその風貌からは、どこか貴族のような気品すらも感じるほどだった。
『あ、天明さんのとこの子じゃないか?昔一時期うちに〝えりかちゃん″って子、いただろ』
『あ……、あの子か』
それは、天明の娘だった。
交渉成立後、暫くの間、男手一つで育てていたらしいが、息子の中学受験を機に復縁したらしく、実子と妻もその場に同伴していた。
外交的な性格の幹枝は、同世代の二人に積極的に話しかけていくと、半ば強引に自分達の席に引っ張ってきて有無を言わさず座らせた。
当初は困惑している様子だったが、数分も経てば兄妹もその場に打ち解け、談笑していた。
『ははははははは……』
法事の場には似つかわしくない明るい雰囲気を醸し出し過ぎたせいで、周囲の大人から少し注意されてしまったが、それでもその日は楽しい気分のまま解散することが出来た。
