白銀のカルマ

 この二つを見せられた瞬間、幹枝の体はわなわなと震えた。

それは〝動揺″と〝怒り″から来るものだった。

……何故ここまでして、私達に執着する?

それにずっと聞かれていたのか。

ずっと監視されていたのか。

ある時を境に家に教えに行きたいと懇願されたことがあったが、その意図が今となってようやく分かった気がした。

おそらくこれらを仕込むため。

じゃああの中傷ビラもネットに個人情報をばら撒いたのも稲倉の仕業?

しかし稲倉は一切、警察関係者に知り合いもおらず、興信所を利用した痕跡はなかったと言う。

ばら撒けないこともないが……あの内部情報は一体どこから入手した?

あれは自分の家をよく知る『人物』でないと、情報を収集するのは不可能だ。

面会の時、それとなく聞き出してやろうかと思ったが、それは取り調べでも既に質問済みの事項だった。

「中傷ビラをばら撒いたのもネットで個人情報をばら撒いたのもお前か?」

「………えぇ」

「……だが、非常に個人的な物が多いな。興信所も何もアテもせずにどうやって〝調べた″?お得意の〝盗聴″か?」

刑事は少しからかい半分に、中傷ビラとネットの個人情報を漏洩した件について、聞いてみた。

するとその2つの件についてもあっさり認めたものの、情報の入手ルートについて明確な答えを提示することはなかった。