白銀のカルマ

出来れば外出はしたくなかったが、食材が底を尽きてきたので仕方なく出かけることにした。

げっそりやつれた顔に不釣り合いな化粧を施すと、錆びれた自転車に乗って最寄のスーパーへ向かった。

少しは気分転換になるだろう、と思い切りペダルを踏みこんだが、その考えが甘かったことを思い知るのに、あまり時間はかからなかった。

店内に入ると、早速多くの人の視線が体中に突き刺さった。

そして嫌な会話が脳内を支配する。

ここの市民で、あの〝噂″を知らない者などほとんどいなかった。

普通に買い物をしているだけなのに、高貴の目に晒され、聞かないように努力しても入ってくる根も葉もない噂。

次第にいたたまれなくなった幹枝は、会計を速やかに済ませると、そそくさと駐輪場に向かった。

どこにいても人の視線は気になるが、地元のスーパーだと尚更だ。

 気分転換に失敗したので、次はただ家に帰ることだけを目標に行く時よりも、一層自転車のペダルを踏みこんだその時だった。

「あっ」