白銀のカルマ

『どうも稲倉です』

モニターの画面には稲倉の姿が映し出されていた。

性暴力で他人を思い通りにしようとした〝悪人″を前に出るか出ないか迷ったが、これまでのことを思い出すと
居留守を使うのは流石に気が咎めたので、身構えながらも客間に通すことにした。

「………優一くん。大丈夫?」

「え?」

「……随分と顔色が悪いけど……」

「……あ、あぁ、まぁ……。ここのとこ、あんまり体調は良くないです」

「……そうお気の毒に……」

それもそうだ。もう1か月近く、外に出ていないのだから。

顔色も頗る悪いことだろう。

でもそんなことは今どうでも良い。そもそも先生は何の用でうちの家に来たのだろう?

よくこんな荒れ放題の庭に足を踏み入れたものだ。

僕は恐る恐る先生に来訪の目的を聞いてみた。

すると先生はこのような事態になることはある程度予想していたらしく、勧誘のためにうちへやって来たと言う。