白銀のカルマ

「出てけ犯罪者ー!!!」

 この牢獄から抜け出せば自由になれると感じたのに外に出ても、罪人気分を味わった。

外に出れば気分が晴れるというのは、単なる僕の妄信だった。

心底傷ついた僕はそれから家から出るのを辞めた。

そして自宅謹慎を食らっていた母は、とうとう失業した。

けれど母の方は風当たりが強くとも屈することなく、内職や夜の工場勤務などで生計を立て昼間でも買い物に出かけた。

僕が完全に殻に閉じこもってしまわぬよう、部屋のドアの前で今日の出来事などを喋ってくれたりした。

……にしても凄いな。

母は暇さえあれば実家に出向き荒らされていないか様子を確認していると言う。

到底、僕には絶対成せない技だ。

母をひたすら尊敬するばかりだった。

僕は母を見習わなくてはならないと思いながらも、気づけば完全に〝ひきこもり″と化していた。

あの一件で完全に足止めを喰らってから1か月が経ったある土曜の昼下がり。

 突然家のチャイムが鳴った。

この日は母は家にいることが多いが、何回鳴っても出る気配がなかったので渋々部屋から出てモニターを確認する。

しかしそれを見た途端、激しい動悸に見舞われた。

インターホンの向こうに写っていたのは僕が忘れ去りたいあの〝存在″だった。