白銀のカルマ

「じゃあ、行ってくるね」

「うん、いってらっしゃい」

 葬儀から一週間。

ずっと暗い雰囲気だった母の口数も表情も少しずつ戻っていた。

なかなか足が向かなかった職場にも、今では以前と変わらない足取りで通勤するようになっていた。

恵さんの葬儀の後しばらくはギリギリまで寝ていることが多く、一緒にリビングまで降りることが多かったが
今ではそれが新鮮なくらいだ。

僕も〝あの出来事″の悲しみは少しずつ消え去り、彼らの魂と共に成仏しつつあった。

精神も安定し体の倦怠感もほとんどなくなったので、本腰を入れて再び就職活動に取り組もうとした時だった。

……一体何の仕打ちだろうか。

また心を打ち砕かれるような出来事が起きた。