その傍らには一匹の犬が自分の方に向かって吠えてきた。
ワンッ、ワンッ。
「…おぉ…どうした。あ、それよりお前…」
背中につけられた特徴的なハーネスが目に入る。
普通の犬ではなく盲導犬であることが一目瞭然だった。
「……お前ダメだろぉ~、ご主人様はどこだよ」
困り顔で盲導犬の頭を撫でると、吸いかけの煙草の火を無理矢理揉み消し、重い腰を上げた。
煙草の吸い殻をゴミ箱に捨て、飼い主を放って来た盲導犬を連れ路地裏から出ようとしたその時だった。
路地裏の入り口付近に犬を探す飼い主らしき人影が目に入る。
突然話しかけるのは少々気が引けたが、一刻も早く飼い主と盲導犬を引き合わせる為に咄嗟に呼び止めた。
「あ、あの、ワンちゃんならこっちにい……」
「……え……?」
「………」
「あ……」
サァアァァァァァァァ……
柔らかく暖かな風が頬を包む。
その瞬間、時が止まったような感覚に見舞われた。
さっきまで自分に強く降り注いでいたはずの雨が、この時だけ優しくなったような気がした。
ワンッ、ワンッ。
「…おぉ…どうした。あ、それよりお前…」
背中につけられた特徴的なハーネスが目に入る。
普通の犬ではなく盲導犬であることが一目瞭然だった。
「……お前ダメだろぉ~、ご主人様はどこだよ」
困り顔で盲導犬の頭を撫でると、吸いかけの煙草の火を無理矢理揉み消し、重い腰を上げた。
煙草の吸い殻をゴミ箱に捨て、飼い主を放って来た盲導犬を連れ路地裏から出ようとしたその時だった。
路地裏の入り口付近に犬を探す飼い主らしき人影が目に入る。
突然話しかけるのは少々気が引けたが、一刻も早く飼い主と盲導犬を引き合わせる為に咄嗟に呼び止めた。
「あ、あの、ワンちゃんならこっちにい……」
「……え……?」
「………」
「あ……」
サァアァァァァァァァ……
柔らかく暖かな風が頬を包む。
その瞬間、時が止まったような感覚に見舞われた。
さっきまで自分に強く降り注いでいたはずの雨が、この時だけ優しくなったような気がした。
