白銀のカルマ

「……はぁ……」

生憎の雨にため息をつきながら、屋根のある路地でしゃがみ込みライターで火をつける。

やつれた一人の青年は遠い目をしながら、煙草を吹かしていた。

どんよりとした曇り空を見上げる。

やはり『夢』や『希望』を想起させるものは何一つなかった。

これからどう生きて行こう?

どんな未来を思い描いて生きて行こう?

おそらく一生この心が晴れることはないのだから、いそのことこの雨だって晴れなくていい。

自分は濡れ鼠くらいがお似合いだ。

それはそうと同じことを繰り返す毎日が幸せだったのに、自分は何てことをしてしまったんだ。

自分から望んで『あの瞬間』を求めたのに、そのせいで気分が落ち込みそれ以降何をやっても気分が晴れなくなった。

そんな無様で滑稽な自分を自嘲しつつ、2本目の煙草に火をつけ口に加えた時だった。

「………?」

傍らに生き物の気配を感じた。