白銀のカルマ

「……あ、後……千明さんが実のおばあ様とお父様に会うことが出来たのはご存じですか?」

「えっ……!?」

ホームレスと語らい合っていたあの夜、千明は重大な事実に気づく。

『これは……私の妹が身につけていたものと同じだ……』

『……えっ……』

『どうして君がこんなものを持っているんだ?』

母の形見であるペンダントが視界に入るなり、常時ぼんやりとしていたホームレスが急に目を見開き、妹の私物について語り始めた。

『これは母から譲り受けた物です……』

この会話を交わした後、千明はホームレスと共に自身のルーツを探ると共に肉親である祖母の所在をも突き止めた。

晩年生活保護不正受給発覚後、批難を受けボロアパートで極貧生活を送るも衰弱した状態で管理人に発見される。

一命は取り留めたが、老人ホームに入所してすぐに認知症が始まったので、二人が話しかけてもあまり会話は成立しなかった。

けれど一部、確実に自分の思いを話している内容があった。

〝…恵莉花叩いてごめんね。もう怒らないから戻っておいで″

〝和明……。和明もごめんね。帰っておいで。悪い所ちゃんと直すから……″

不必要に罵倒した娘や自分を軽蔑して離れて行った息子に対する謝罪を聞いたホームレスの目からは大粒の涙が溢れていた。

『……まさか……君のお母さんの名前は……』
『……恵莉花と言います……』