白銀のカルマ

「……外も晴れてきた頃なので失礼します。お邪魔しました」

「お気をつけて」

「………幹枝さんもお元気で」

雨が上がった後、健闘を称え合うと再び会えることを期待した。

お見送りのため玄関まで一緒に外に出た後、英は突然振り返りこう述べた。

「……奥野さん。僕が言うのは気が引けるんですが。あなた方親子がとった判断は間違いではないと思います」

「え?」

「…僕みたいに復讐に燃えるだけの20年を過ごした人間が言う言葉じゃないと思うんですけど。…自分の気持ちに正直に生きた方が幸せなんじゃないでしょうかねぇ」

「……英さん……」

「……それで幸せなら誰も文句は言わないです。……まぁ、ぶっちゃけ僕も幸せかって言われたら微妙なところですが…自分の人生に一応納得はしています」

幸せ。

それは他人が決めることではなく、本人が決めること。

あの判断が正しかったと言い切ることは出来ないが、自分自身が納得して生きていくことが出来ればそれで良いのかもしれない。